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デニムの洗濯色落ちについて考察

私的な見解ですが、デニム、インディゴの洗濯色落ちについて考察したいと思います。

デニムを洗う時に洗剤を使うかどうか?

洗剤を使うと色落ちしてしまうのか?

と言うことです。

 

私の住んでいる地域ではおまつりで法被を着ます。

法被にも種類があってデニム生地と似ているのでその辺も踏まえて考察したいと思います。

綿の法被は主に藍染法被、硫化染法被、反応染法被があります。

 

主な特徴です。

 

藍染=青=藍=インディゴ

天然藍の不純物を取り除いたものが=合成インディゴになります。

天然藍は不純物を完全に取り除くことができないので、柔らかい青になります。

合成インディゴは不純物がありませんので、濃い青になります。

 

硫化染=黒=501-0658(先染ブラックデニム)

色褪せると白くなります。

 

反応染=何色でも=スウェットの色(ツイル)

色褪せると白っぽくなりますが、極端に白くはなりません。

 

ではまずインディゴから。

染め物の生地は2種類あります。

①織った生地を染める場合

②糸を染め染めた糸を織る場合

デニムは②でインディゴで染めた糸と、染めていない糸を編んで作ってあります。

表はブルーですが、裏は縞模様です。

①は生地を染めるので表も裏もブルーです。

①の場合、模様を付けるため色を入れたくない所は糊付けるをして色を止めます。

②で模様を付ける場合は、抜染して色を抜きます。

染め方によって違いがあります。

染色で染めを行う時、色の入りが悪い時に、浸透剤を使うことがあります。浸透剤は界面活性剤です。

界面活性剤は水の張力を変化させることができます。

界面活性剤には3つの作用があります。

①浸透作用

②乳化作用

③分散作用

 

①浸透作用は水を浸透させる作用でこの作用があるため綿に染料を浸透させることができます。

 

②水と油は基本的に混ざり合いませんが、界面活性剤を入れると混ぜ合わせることができます。この時まざり合った液体は乳白色に変化します。この作用を乳化作用と言います。

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③粉体を水の上に落としても下には沈みません。

コショウやススを水の上に落としても下には沈みません。

しかし、界面活性剤入りの水のなかでは沈んでしまいます。これを分散作用と言います。

 

水に界面活性剤を入れると、張力が変化します。

物体は重ければ重いほど地球の中心に引き寄せられています。ボールなどを胸の高さから手を離すと下に落ちますが、これは下ではなく、地球の中心に向かって落ちているのです。これは気体も同じで軽い暖かい空気は外側に行き、冷たい空気は地球の真ん中に向かって下がります。

しかし同じ物質はくっつきたがります。なので水滴は空中では丸になります。

 この仕組みによって表面張力は起こります。

通常の水

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界面活性剤を入れた水

張力がほとんどない

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この効果を利用しているのが防水生地です。

生地に特殊なコーティングをして水が浸透するのを防いでいます。

しかし、この撥水加工をした生地を衣類洗剤などで洗ってしまうとせっかくの防水加工の効きが弱くなってしまいます。

これは衣類洗剤に含まれる界面活性剤の効果によるものだと言うことがこれまでのお話で分かっていただけると思います。

 

なので、撥水加工がしてあるレインウェア等が汚れた時は洗剤で洗濯せず、水で濡らしたタオルで拭き取りの手入れすることおすすめします。

 

後、藍染め法被で年寄りから言われるのは、「酢」を入れると色が止まるというものです。インディゴはアルカリ性で、酢は酸性なので、色が落ちにくくなるとは思います。

 

話が逸れましたが、上記のことより、デニムの洗濯は特にファーストウォッシュなど、色が出やすい環境の時は、蛍光増白剤を含まない洗剤と酢を入れてあげた方が、界面活性剤の効果で染み出た色をまたデニムに浸透させる効果があり、酢の効果で色落ちしにくくなるのでは?と個人的には思います。

色落ちしないデニム専用洗剤がある見たいですが、染めものを洗う時点で色は落ちる(薄くなる)のは物理的に仕方ないと思います。(水分を含むと色が薄まるので)全く色落ちしないと言うことはないと思います。漬けおきすると色が出ます。特にファーストウォッシュは。他の洗剤に比べると色落ちが少ないということでしょう。

ちなみに分量ですが、界面活性剤は1%、酢はデニム1本に対して大さじ1程度で良いと思います。

 

次は硫化染め 501-0658 先染のブラックデニムは硫化染めです。使用していると独特の白さが出ます。

法被も昔は硫化染めの法被が多かったのですが、近年は減少してきていて、反応染めに変わってきています。この硫化染めが減少してきている理由は、染めの職人が減少してきていること、硫化染めがあまり環境に良くないこと、法被等の薄い生地を染色した場合、まれに破れが発生することの要因があるようです。ただ、近年の硫化染めの法被は昔のもの40~50年くらい前のものと比べると色落ちも少し違う気がします。環境を配慮してなのか、染料が違うのでしょうか。

なので、この先染のブラックジーンズは今後作るのは難しくなるのでは?またはもう作れないのではないかと思います。

最近のものだとリーバイス 501 93 ブラックが硫化染めのブラックだと思います。硫化染め独特の白さがあります。

501 '93レギュラーストレートRAISIN STONE

https://www.levi.jp/2019aw_50193.html

 

次は反応染めです。反応染めは一番一般的な染めだと思います。スウェット、Tシャツ、ツイル。綿素材であれば大体反応染めです。使い込みや洗う回数が増えれば、白っぽく使い込んだ感じになります。

 

あと、最近は化繊素材のウェアが良く着られています。化繊は染色できません。なので基本は単色です。色落ちもしません。日焼けはしますが。しかし、時代は進化しているので、この化繊素材に細かなプリントをすることができるようになりました。昔は刷り込みのプリントでしたが、現在は大きいインクジェットプリンターで印刷(捺染)することができます。インクも顔料を使用していますので、水に強いのが特徴で、洗濯による色褪せはあまりありません。

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化繊素材は白ですが、黒色にプリントしてあります。特徴は裏面は白(素材の色)になるということです。

染色は天気や湿度によって、出来映えが違ってしまいます。

同じ色、同じ配合で染色を行っても、天気や湿度によってサンプルの色とは違った色になってしまうこともあります。

しかし、この捺染を使えば思い通りの色が出すことができます。

なので、捺染やプリントしたものを生地に転写する「昇華転写」なども多くなってきています。

 

今回は染色方法や界面活性剤の効果を見てきました。

最後にこの話をまとめると、

かなり私的な見解ではありますが、

デニムは蛍光増白剤を含まない洗剤でワンウォッシュして長い間置いておいた方が色落ちが遅いと思います。

リジットは糊が付いているので、長い間置いておいても、生地に色は入っていかないと思います。それは前にも説明したように、染色で糊は色の侵入を防ぐために使うからです。

実験したわけではありませんが、今買える90年代の501だとリジットのデットストックのものよりワンウォッシュのデッドストックのものの方が、色残りが良いと思います。ストーンウォッシュやUSEDウォッシュは色を落とすのに塩素を使っているものもあるのでちょっと別ですが。

 もちろんリジットのデットストックにはFITさせるという別の楽しみがありますが、色残りだけで考えるとワンウォッシュのデットストックも悪くないと思いました。